かたちづくり

つれづれに、だらだらと、おきらくに

あなたの心にあるガベージコレクション

初めてガベージコレクションを知った時、なんて酷いやつだと思った。

だって、どこからも参照されていないオブジェクトは問答無用で消してしまう。友達居ないやつを消して回っている。ぼっちは死ねということだ。非情なガベコレを前にして「僕はここにいるんだ!生きてるんだ!殺さないでくれ!」と泣き叫ぶ孤独なオブジェクトが眼に浮かぶようだ。


・・・なんてね。戯言(ざれごと)です、オブジェクトを擬人化した、ただの戯言。


でも、こうは思いませんか?

みんな誰でも、心のなかにガベージコレクションを飼っている。
みんなこう云う。「世界と繋がっていたい」。
たぶん、逆。世界との繋がりが切れてしまうのは怖い、と思っている。
そうして、自分に振られた参照カウントを数えながら、心に棲んでいるガベージコレクタに怯えている。

そうして、ツイッターでフォロワーを増やし、SNSで友だちを作り、ブログを書き、ぼっちがバレないように便所で飯を食い、ヒーローになりたくて課金アイテムを買う。


・・・なんてね。戯言です、ただの戯言。


でもこうは思いませんか。

ガベコレのルート集合はインターネットなんじゃないかって。インターネットから参照されていないものは存在しないのと同じだって。日常生活の繋がりなんて小さなコミュニティの循環参照に過ぎなくて、まるごとガベコレに消されてしまうような儚いものなんじゃないかって。


・・・なんてね。戯言です、ただの戯言。